我が国における原子力利用の憲法ともいうべきものとして、原子力基本法があります。この法律は、原子力の研究、開発及び利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図ることによって、人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的として、昭和30年(1955)に制定されました。
この法律によると、我が国における原子力開発利用の基本方針として、原子力利用は、平和の目的に限定されており、安全の確保を旨として、【1】民主的な運営の下に、【2】自主的にこれを行い、【3】その成果を公開することとしており(これを原子力平和利用三原則ともいう。)、さらに、進んで国際協力に資することが定められております。また、この法律は原子力利用の推進を図るとともに、その利用によって生ずるおそれのある放射線障害を防止し、公共の安全を確保することについても規定しています。
この法律に基づき、ウラン、プルトニウム、トリウム及び原子炉等に対する規制のために、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(一般には、「原子炉等規制法」として知られている。)が、また、放射性同位元素(ウラン、プルトニウム及びトリウムを除く)及び放射線発生装置に対する規制のために、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(一般には、「放射線障害防止法」として知られている。)が、それぞれ昭和32年(1957)に制定されました。これらの二つの法律を含め、原子力基本法に関連した法令は、数多くあります。